021.水色のドレス

水色のドレスの女性
MO2
19歳 女性 専門学校生

幼稚園に通ってる頃に見た夢だと思います。
たしか5歳くらいの時に3日続けて見てました。
私の家から車で15分くらいの位置にある、信号のあるT字路での出来事です。
乗用車の中に私と知らない人がいっぱい乗っていて、なぜかボンネットの上に黒髪でショートカットの、青か水色のヒラヒラした薄い布を重ねてで出来てるドレスを着た女の人が乗ってました。
危ないなぁと思いながらも、その人は定員がいっぱいなので車には乗れません。
なのでボンネットに乗っていました。
信号を左に曲がってすぐのところにある、狭い道に入ろうと、車は右折します。
その時、道が狭すぎて車は事故を起こしました。
コンクリで出来た壁にぶつかり、車に乗っていた人はみんな無事だったんですが、その女の人だけがボンネットから投げ出され、頭を強く打ち血を流しながら死んでいるのです。
15年近く経つのにすごく印象に残っています。

☆ 夢解釈No.021 ☆
はじめまして、サイト作成者です。
送っていただいた夢は、5歳くらいのときのものということですが、子供は、明らかに大人とは違う感性を持ってるので、子供の夢というのは本当に解釈に難しいものなのです。
例えば、黒板に小さな○を書いて、「黒板には何が書かれていますか?」と聞くと、ほとんどの大人は「小さな丸が書かれています」と答えます。ですがそれが子供となると、「テントウムシ」とか「ママのホクロ」とか、「アリの巣」というように非常に色々なことを言うものです。
なので、ただでさえ非常に多くの心的内容を物語る夢の象徴が、さらに複雑になりますので、子供の夢となると、何を物語っているのか分からないというのが本心だったりします。
感性のレベルが根本的に違いますので、5歳の頃の夢を、19歳のいまの夢と同じように解釈することは難しいのですが、よく覚えているということは、それだけ意味深く、あなたにとって価値のある重要な夢だと考えていいと思います。
さて、夢を解釈する前に、すこし質問をさせてください。
1)分からないなりに送って頂いたこの夢をよく見てみると、なにか精神的な妥協のようなものを感じます。「本当はこれがしたかったのに出来なかった」とか、「これをしていたつもりが、実は違ってショックを受けた」とかです。あるいは、具体的な環境の変化がなにかあったのかもしれません。幼い頃なので、覚えていないでしょうか?
2)夢の中で死んだ女の人を思い浮かべて、なにを連想しますか?
返信を頂き次第、さっそく解釈してみようと思います。

【返信】
その夢を見る前後に、幼稚園でも特に変わったことはなかったと思います。
その女の人も、死んでいる状態の顔を夢で見ているはずなんですが、ただ死んでいるなって感じたのと、起きた時に怖かったという以外思い浮かぶもの無いです。
診断よろしくお願いします。

【送信】
回答ありがとうございます。
「水色のドレスの女性」の夢を考えてみたので、参考にして頂ければと思います。
乗用車は、自分ではどうしようもない(コントロールの利かない)力強い心的エネルギー、あるいは情動を表していて、そこに乗っているたくさんの人々は、幼い頃にご本人が持っていたなんらかの想いやコンプレックスが人格化されたものです。
そして、ボンネットはご本人の心的エネルギー(乗用車)の先頭にあるということから、そこにいる女性は、幼い頃に持っていたたくさんの想いの中でも、一番先頭に立つ中心的な存在を象徴しているはずです。
夢の中の道路は、人生の道筋のイメージを表していて、道路の先は未来へのイメージを表しています。
このことは、5つの幼い子供が、たくさんの様々な想いを(車の中の人々やボンネットの女性を)力強い心的エネルギーに身を委ねて(車に乗って)、未来へと向かっていっている、というような心の状態を象徴しているように思います。
そして、車は信号を左に曲がってすぐのところにある、狭い道に入ろうと右折します。左は非合理な直感や女性的なニュアンスがあり、一度はそちらの人生の道筋に向かおうとしてから、すぐに右折します。右は合理的なニュアンスがあって、どうやら幼い頃のあなたにとって、合理的な道は狭くて通れないようです。
そしてコンクリの壁に衝突してしまうのですが、コンクリートの壁はそのままの意味で、ご本人の力強い情動の障害物のようなものを表しています。
そこにぶつかると、ボンネットの上の女性だけが死んでしまいます。
この女性は、おそらくこれから育つはずの自分自身のイメージで、このことは、幼い頃の、これから分化・発達していくはずの女性的な要素(ムードや非合理な直感を生み出すという要素)が死んでしまったかのような印象を受けてしまいます。
私たちは誰でも、幼い頃に感じていた情動のことはほとんど忘れてしまうのですが、駄々をこねたり泣き喚いたりぐずってみたりと、色々な想いを経て大きくなります。
そして、この夢を見る限りでは、当時ご本人の中で、なにか女性的なニュアンスの遊びなり将来の可能性なりを育てることが出来ない、というような想いになっていたことがあったのではないかという印象を受けます。
具体的には分かりませんが、例えば、女の子がするような遊びが出来なかったとか、女の子の洋服が着れなかったとか、男の子達とばかり遊んでいて、女の子っぽい環境にいなかったとか、あるいは、自分が女性的に成長をするというこのとイメージが出来ないような気持ちになったことがあったのかも知れません。
5歳くらいの子供というのは、肉体的な性別は持っているのですが、精神的には、まだ男性性も女性性も発達していません。「この子は男の子」とか「女の子」というのは、あくまでも大人の目から見たときの基準であって、本人はまだ男性的でもあり女性的でもある未分化な状態でいるのが普通です。
もし間違っていたら申し訳ないのですが、この夢を見る限りでは、そのような幼い頃に、(無意識レベルで)これから育てようとしていた女性的な可能性の死を、直感してしまうような想いになったしまったことがあったのではないかと感じます。

2007年04月28日