参考

970.アメリカの青年

投稿者:ヌーン
はげしい落雷の夜に見た夢
33歳/女性/1回目

昨晩、長く大きい雷が鳴る中ひさしぶりに夢をみました。
舞台は100年くらい前のアメリカのようでした。
ニューヨークのような都会ではなく人が少ない田舎のようです。
30代くらいの青年が何か彼の中で大きな変化が起こったらしくとても高揚した様子で彼の母親にあることを言ってました。
内容は「ごめんね母さん、ぼくはぼくになるんだ!(うる覚えです、ニュアンスはこのようなことでしたがもっと違う言葉だった気もします)でもたまに会いに帰ってくるよ」と、とても幸せそうに屋敷の階段を勢いよく駆け下りて行きました。階段に残された母親は呆然自失しています。それを見ていた妹(わたしの意識はこちらにありました)は兄のその大きな変化に影響され同じような解放が起こったようです。
とても大きな落雷の音で目が覚めてこの夢はここまでです。
映画のワンシーンを見ているようなドラマチックな夢でした。現実の天候と同じように屋敷の外ははげしい雷雨の夜のようでした。
この夢の前後に現実の母親と私の夢を見ました。以前にも見たのですが母親の洋服を選ぶ夢でした。母はなかなか私のコーディネートに納得しない様子(現実ではこだわることはありません)で少し目を離した後に母が自分で選んたコーディネートがなかなかよくて関心するという夢でした(ここも現実でする行動ではありません)
一晩に母親に関する夢をふたつ見たのと、とても大きな感情(青年の心の変化)を感じた夢だったので印象深いです。

どうぞよろしくお願いします。
.. 2015年05月21日 (木) 07時39分

☆ 夢解釈No.970 ☆
ヌーン様「アメリカの青年」

はじめまして。
この夢は、現実のカミナリの音によって、あなたの心の中の元型的な要素が触発され活性化したかのような印象がありますね。

この夢は、肯定的なアニムスによって心が活気づくときの、普遍的な女性心理が表現された典型的な夢のように感じられます。

下記は心理学者フォンフランツ博士の言葉です。
「肯定的なアニムスは内的真理の最高の本能的自覚、基本的な内的真実性です。それが個性化のうちに、精神的な女性を自分自身になるように導くのです。」

今回の夢では、それはもちろん、アメリカの田舎にいる30代くらいの青年の姿で表現されています。

また、都会は、それぞれがバラバラに動き、身の回りにいる人々を把握することは出来ませんので、そんな場所ではフォンフランツ博士の言う「内的真理の最高の本能的自覚」を表現することはできません。
ですがアメリカは経済の最先端の国であり、田舎は、周囲の人々が何をしているのか把握可能ですので、その状況を表現するにはその設定が最も相応しいと言えます。
100年くらい前の昔であったのは、それだけご本人が気付くことが困難な、普段の意識領域から離れた心の深い領域での出来事という意味合いがあるのかも知れません。

そしてそこで、無意識下のアニムスの心像は「ごめんね母さん、ぼくはぼくになるんだ!」というようなことを言います。
フォンフランツ博士の言葉にあるように、彼はまず、自分自身になろうとしており、本来の自分の姿、あるいは本来の性格を得ようと屋敷の階段を勢いよく駆け下りて行きます。

もしもそこが二階で一階に駆けおりていったのであれば、二階という精神的な領域から現実的な領域へ、もしもそこが一階で地下におりていったのであれば、心の深い内面的な領域へと本来の自分自身を獲得しに行ったという意味合いとなります。

そしてそんな兄の影響を受けた妹(この2人は、全く同じものの2つの側面と思われます)は、兄と同じように大きな変化の解放が起こります。
この場面はどうやら、博士の言葉にある「肯定的なアニムスが女性を自分自身に導くのです」というその瞬間と考えることができそうですね。

そして一般的に、夢のなかのカミナリは破壊的でダイナミックな男性的な力、天から下るインスピレーション、新しい洞察、ひらめきなどを象徴しますので、外の雷雨は、心の変化を表現する心像に相応しい現象と言えます。

また、彼は「ごめんね母さん〜。でもたまに会いに帰ってくるよ」というようなセリフを言います。
おそらく彼が母の元に帰ってきたときには、彼は母の知らない自分自身となっているはずです。母に「ごめんね」と謝った理由は、女性は基本的に、男性よりも保守的傾向が多いので大きな変化はあまり好まない、ということと関係があると思います。

そしてもう一つの「母親の洋服を選ぶ夢」は「アメリカの青年の夢」のモチーフ(その夢を生んだ動機)に関連したモチーフを持っており、それは青年の夢の続編、あるいは後編のようなものと言えます。

と言うのは、夢のなかの母は、実在の母というよりも、あなた自身が無意識下に持っている母のような母性的な心の働きが表現された心像と思われ、あなたの中にある母性は洋服という外界に適応するために必要なものを選んでいるからです。
一般的に夢のなかの衣服類は、ペルソナといって社会や対人関係などに適応するための表向きの対応を象徴します。

アメリカの青年の夢で表現されている大きな変化が起きたからこそ、あなたの中の母性的な働きは衣服類(外界に適応するための物)を必要としたと考えられます。
あるいは、前もって洋服を選んで適応するための準備を整えた上で、大きな変化が生じたのかも知れません。

もしも間違えていたら申し訳ありませんが、実生活において、興味のある新しいことをはじめるには今が好機と、この夢は語っているのかも知れませんね。
いかがでしょうか?
.. 2015年05月21日 (木) 13時21分

【返信レス】
鈴木さま

早速の、そして大変深い分析ありがとうございます!
何かとても豊かですごいですね。
これが夢を拡張する?ということなのでしょうか。
青年が降りたのは一階だと思います。
多分彼は家から出て(行動的にも精神的にも)外の世界に行くようでした。
「実生活において、興味のある新しいことをはじめるには今が好機と、この夢は語っているのかも知れませんね。」
なんと…なんか大事なことのようですね。。新しいことと言えば…少し今迄数年かけて作って来たものを思い切って捨てて方向転換しようかと迷って右往左往してるところです(人にはスパッと止めるではなく同時進行したら?と言われるのですが、性格的に難しく不完全燃焼が続いています)
「肯定的なアニムスが女性を自分自身に導く」
自分自身はどれかといつも探している気がします。どれも断片を利用して作り上げたキャラクターのように感じています。
習慣や不安に流されるのを少し我慢してせっかく警鐘を鳴らしてくれたアニムスを大事に「自分自身」に辿り着きたいですね。

とても納得のいくご解釈ありがとうございました!
2015年05月22日 (金) 00時39分

【返信レス】
返信ありがとうございます。
そのように仰って頂き嬉しく思います。
「自分自身はどれかといつも探している気がします。どれも断片を利用して作り上げたキャラクターのように感じています。」
もしもこのことを知っていたなら、もう少し詳しい解釈ができたかも知れません。
もし宜しければまたお願いします。
2015年05月22日 (金) 15時48分


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